56日目|抗がん剤治療

以前も書きましたが、手術、放射線治療ができない(非現実的)と診断されたボクに残された三大化学療法は抗がん剤治療のみ。医師はみな「一日も早く始めた方がいい」と決断を迫ってきますが、抗がん剤に対する抵抗がどうしても拭えず、決断できないままそろそろ二ヶ月が経とうとしていました。

気が進まない抗がん剤治療

引っかかっているポイントはただひとつ。副作用の厳しさでも、高額な医療費でもなく、健康な細胞もダメージを受けてしまうというところ「自己治癒力による回復はあきらめろ」と言われているようで、どうしても気が進ないわけで。

● 抗がん剤
がん細胞の遺伝子(DNA)の働きを妨げることなどで、がん細胞の増殖を抑えたり、死滅させたりする働きがあります。一方で、正常な細胞の働きも妨げてしまうため、さまざまな副作用があらわれます。

● 分子標的薬
がん細胞だけが持つ特徴などを目印にして、がん細胞だけを攻撃する薬です。従来型の抗がん剤にみられる副作用は少ないですが、分子標的薬特有の副作用がみられます。

… 薬剤の説明書より

しぶしぶ選んだ抗がん剤

とは言っても、今回ハナシを聞いたドクターは、化学療法賛成派の方も反対派の方も、揃って「がんが進行しすぎているので生活改善で自己治癒力を高めるには時間が足りない。時間稼ぎのためにも抗がん剤は併用した方がいい。」という意見だったので、腹をくくって挑戦してみることにしました。

主治医から提示された抗がん剤治療の選択肢は以下のとおりでした。

A:点滴のみで投与

1) FOLFOX + ベバシズマブ(分子標的薬)
2) FOLFIRI + ベバシズマブ(分子標的薬)

2週間に1回、2泊3日で48時間かけて点滴投与。

B:点滴+内服薬投与

1) SOX + ベバシズマブ(分子標的薬)
2) XELOX + ベバシズマブ(分子標的薬)

3週間サイクル。初日に点滴を投与し、その後2週間内服薬を服用。最後の1週間は休薬。

C:内服薬投与

1) TS-1
2) Xeloda
3) UFT+UZEL

3〜5週サイクル。UFT+UZELの場合、28日間毎日続けて服用しその後7日間休薬。

いずれも、大腸がんの症例によく使われる抗がん剤です。
上から順に、主治医がすすめる順。根拠は、「これまでに充分な実績(エビデンス)がある」こと。「効く」とは言われているがまだ充分な臨床結果が出ていないものは優先順位が低くなっています。

主治医は「この薬の主な副作用は◯◯で、この薬は◯◯です。どの薬にされますか?」と、まるでワインのオーダーを取るかのよう。
唯一、ボクが書家でデザイナーということから、手先にしびれの副作用が出にくい薬を勧めてくれましたが、なるほど、自分で直感を信じて決めろとはこういうことかと妙に納得しました。

治療方法は自分で決める

当初は周囲のすすめもあり、Bの「点滴+内服薬」を試してみるということで進めていましたが、病院に長時間滞在して点滴を受けることのメンタル的なダメージが予想以上に大きいぞということで、Cの「内服薬のみ」のパターンに切り替えることにしました。
選んだポイントはただひとつ。健常者と同じように日常生活を送りながら服用できるという点。8時間おきに一ヶ月近く薬を飲み続けるという面倒さはありますが、通院するたびにドクターに生々しい病状の進行のハナシで心を折られることを考えれば屁でもないわけで。

自分の細胞を信じてみる

もうひとつ、治療方法を決めるにあたって参考になった、というか勇気をくれたのは、たまたま9月30日にスタートしたNHKの番組「NHKスペシャル 人体」のプロローグ。はじめて撮影されたという「がん細胞を攻撃するNK細胞」の映像に心を打たれたから。
もしまだボクにもNK細胞が少しでも残っているなら、薬品に頼って細胞を攻撃する他力本願な方法よりも、自己免疫力をマックスに高める自力本願で前向きなアプローチのほうが性格に合っていると痛感したからです。たとえ慰めでも、「なんかゴロウさんは死なない気がする」と言ってくれる周囲の仲間たちの言葉と自分の細胞を信じてみようと、そう思っています。

余談ですが、ほんといい番組なのでみなさんもぜひ。
NHKスペシャル 人体
http://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_1.html

 

2 Comments

  1. Goroh Tagawa

    2017/10/18 at 23:54

    恵比寿の住民さん、恐縮です。
    MMDを立ち上げた時もそうでしたが、今回も直感を頼りに即断即決で行こうと思います。w

  2. 恵比寿の住民

    2017/10/15 at 08:52

    かなり昔に代表を務められていた会社に取引先としてお世話になったものです。
    懐かしくて調べたらこちらにたどり着きました。
    当時は関連性だけだと乏しいMMD立上げなど、今になってわかる事業センスの良さを感じます。
    きっと今回もご本人にしかわからないセンスの良さで乗り越えられるのではないでしょうか。

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